バリキャリ乙女のイド端会議室

主に婚活、時々しごと。華麗なるバリキャリの脳内会議の一部始終。

隣の婚活カップル考察③真性拗らせおじさん

こんばんは、年間300日スーツで過ごす女、バリキャリ乙女のイシイド マキです。


隣の婚活カップルシリーズ最終回です。


たまたま隣の席に居合わせたover40の婚活カップル、ナオミ嬢(仮)とタナハシ氏(仮)
婚活の状況を聞かれたナオミ嬢のお話が続きます。


「遊びの人も多くて…
そろそろ(婚活を)やめようかなって思ってる」


この話題も結構対応に困ります。
『そろそろやめようかな』には取り方が二つあるのよね。
新規の募集はやめて今、接触のある人の中から選ぼうかな、というものと婚活自体をやめるのでもう私にはかまわないで、の二通りだ。
ナオミ嬢の態度から見る感じでは後者と思われたが、さすがタナハシ氏。
全く別の食い付きを見せた。


「遊びって、カラダ目当てってこと?」


おぅふ…身も蓋もない…


「うん…最近そんなのばっかりで」


「女の人は大変だよね
年下じゃない?」


「まぁ、年下が多いかな」


「確かに若い頃はさぁ、そういう相手を探すのに必死だけど、俺らくらいになるともう充分なんだよね。
落ち着いた関係っていうの?
もう手を繋いだりとかもなくていいかな」


ほぅほぅ、そうですか。


「でもさ、あんまり多いからなんか信用できなくなるっていうか…」


「あー、信用って大事だよねぇ。
客でもさぁ、予約しといて当日無言でキャンセルとか、最近すごい増えたんだよね。
キャンセルは仕方ないにしても電話くらいできるでしょ。
んで、しれっと次回も予約してくんの。
そういうのって社会人として本当に信用できないよねー」


言ってることは間違っていないがちょっと話がズレている。


「ホントそんなヤツばっかり。
でもさ、◯◯さん(ナオミ嬢)のことは信用できるよ」


なぜかの上から目線。


「だからさ。
オレとしては◯◯さんと『次のステップ』に進んでもいいと思ってる」


はあい?
この流れでそう来る?


「あ、でも、◯◯さんがまだ前の人のことを忘れられないっていうなら、オレ、待てるよ」


「え………と、私、まだそんなこと考えてなくて…」


「うん、ゆっくり考えてくれればいいから」


ナオミ嬢、断るなら今断った方がいいぞ!

 


下心は隠そうとするほど見苦しい


さて。
タナハシ氏が誠実な人かは分かりませんが、本気で彼女がほしいんだろうなということはよくわかりました。
(そしてモテないであろう理由も)


ネット婚活などでは確かに下心丸出しの遊び相手募集中の殿方が多く存在します。
遭遇すると腹立たしい気持ちになりますが、遊び相手を引っかけるために下心を隠すタイプも存在するので分かりやすい分、親切なのかもしれません。
一方で真面目に伴侶を探している殿方もいらっしゃいます。
そういった真面目な殿方はつい、自分の下心を隠しがちです。
下心がマイナスに働くと思っているから。
タナハシ氏も先の話題で自分に性欲(接触欲も含め)はないと言ってしまいましたね。
そのくせ『次のステップ』に進みたいと。
『次のステップ』ってなんやねん。
今が時々会って食事をする仲なら、恋人同士になりたいということでしょう?
そこには先ほど否定したスキンシップも含めた『恋人としてのふれあい』だってあるわけだ。
信用大事といいながら、なんたる矛盾!
これじゃ信用できないよね。
百歩譲って、これは『恋人としてのふれあい』ではなくて一足飛びして『プロポーズ』だというならご無礼しましただけど、うどんをすすりながらする話しでもないような。


おまけに「『次のステップ』へ進んでもいい」「待てるよ」という言い方。
オレはそれほどでもないけどと言外にほのめかし、あくまで交際を望んでいるのはナオミ嬢の方、という体裁で話を進めようとする態度。
こういう人を拗らせというのでしょうか。
自分大好き見栄っ張りおじさんなのですね。


こういった場合、自身の下心については否定も肯定もしない方が無難です。
元々、婚活というものは『恋人としてのふれあい』につながることなのでそれを否定すると成り立たなくなっちゃうんですよね。
そして言いたいことははっきり伝わるように言わないと。
「あなたのことが好きだから付き合ってください」でいいんですよ。
『次のステップ』なんて変にカッコつけたような言い回し、余計な混乱を招くだけ。
特別なことなんていらないのだ。

真心をこめた言葉と態度さえあれば、お相手さまには響くはず。


だけどただひとつ。
周りの環境には気をつけて。
私のような人が聞き耳を立てているかもしれないので…

隣の婚活カップル考察②うまくいかないのは競技を間違えているからなのかもしれない

こんばんは、年間300日スーツで過ごす女、バリキャリ乙女のイシイド マキです。


さて、前回たまたま隣の席に居合わせた婚活カップルの会話をぬす…じゃなくて垣間聞きいて思ったことの続きです。


over40の婚活カップル、タナハシ氏とナオミ嬢。
これまで話の主導権を握っていたタナハシ氏はようやく「そっちはどう?」とナオミ嬢の婚活状況について話題を振るのでした。


「うーん、私はさぁ、ほら、アレだったから…」


おや、ワケありですか?
言いよどむナオミ嬢の言葉にタナハシ氏は変わらずデカイ声でコメントを入れた。


「あー、分かるよ……俺も人妻と付き合ったことあるし!」


このバカチンがぁっっっ!
ひきつるナオミ嬢。
店中に響き渡るような大声で間接的に暴露しちゃった。
そう、美貌のナオミ嬢はこれまで(今もか?)不倫をしていたということなのだ。

 


彼女の気持ち


さて間接的に不倫をバラされたナオミ嬢ですが、話の流れ的に前回以前のおデートで『過去の不倫』をタナハシ氏には告白していたことになります。
彼女はなぜそんな話をしてしまったのでしょうか。
タナハシ氏に全面的に心を開いていた?
罪悪感に耐えられず?
どちらも違います。
考えられることは2つ。


①なんでも話しちゃわないと気が済まない性格だった
②マウンティングだった


まず①
いらっしゃいますよね、初対面なのに、そこまで話すかってくらい赤裸々に公開してしまう人。
芸能人とかブロガー界隈にも多いかも。
自身の面白おかしいエピソードを惜しげもなく話す、サービス精神旺盛な人ということなのかもしれません。
ですが内容によっては、「え、それ自慢?」と反発を食らうこともあれば、あからさますぎてこちらが恥ずかしくなったり困ってしまうこともあるでしょう。
言ってみれば人との距離感を測るのが下手な人なんでしょうね。
では、ナオミ嬢はどうでしょう?
ナオミ嬢はこの話題について明言を避けるような言い方をしています。
また私が隣の席に着いた時に少し牽制するような仕草を見せました。
どちらかといえば他人には聞かせたくない、聞かせる話題でないと理解している常識的な人、だと思われます。
故に当てはまらない。


残るは②のマウンティングです。
未婚の期間が長くなると、容姿や性格(人当たり)が優れている場合、「何で結婚しないの?もったいない」「あなたみたいな人が結婚してないなんてどうして?」と言われることがちょいちょいあります。
言った人からしてみれば変化球的に誉めてるつもりなんでしょうが、当人にしてみると(本気で結婚したい場合は)結構こたえるのです。
だって本人が一番「何で?」って思っているから。
ですからそんな時は「ご縁がなくてぇ…えへへー」とか「何ででしょうねぇ…あははー」と流してしまえばいいのですが、時に流せず、断固として『結婚してない大義名分』をぶち上げずにはいられなくなることがあります。


ナオミ嬢はかなり容姿に優れた人だと思います。
同様の発言があった時、『結婚してない大義名分』として自身の不倫を告白したのではないでしょうか。


私は結婚できなかったんじゃない、愛した人が既婚者だったから結婚しなかっただけ。
私はずっと愛されていた。
モテなかった訳じゃない。
そんじょそこらの喪女と一緒にしないでちょうだい!


というのが本音じゃなかろうか。
つまり、独身女性に向けられる世の中の視線に対してのマウンティングだったのではと推測いたします。
故に、そういった告白を受けても『自分に心を開いているから』などと努々思ってはいけない。
ただただプライドが高く、それを守るために言わなくていいことを言ってしまう。
それでも。
後の影響を考えずに発言してしまう、その浅はかさを『かわいい』と思えるのならお付き合いを継続なさればいいのではないでしょうか。

 


彼氏の気持ち


さて、一方のタナハシ氏ですが、正直、彼の救いようのなさに目眩がいたしました。
ナオミ嬢が隠したがっていることを大声でバラしてしまうデリカシーのなさももちろんですが、『俺も人妻と付き合ってた』は嘘っぱちなんですもの(たぶん)


まずね、その不倫についてのエピソードが全く具体的でないのです。
前回登場した過去の婚活相手のお嬢さんのエピソードは、彼女の年齢や職業といった人物像やどのようにやり取りをして何と言ったかまでの事細かな描写、それから本人の感想や意見を長々と語っていたにも関わらずですよ。
ナオミ嬢の「どこで出会ったの?」などの質問もごにょごにょとはぐらかす。
人となりも見えず、なんのエピソードもない。
さらに前回この話を聞いていたのならなぜその時に言わなかったのか。
つまりナオミ嬢からの話題に乗っかっただけ。
とっさについたウソに違いありません(おそらく)


なぜそんな嘘をついたのか。


タナハシ氏はナオミ嬢のマウンティングにまんまと乗せられたのです。
ハッキリ言ってタナハシ氏はモテないと思う。
派手に外見を着飾ってはいるけれど、だからといってモテるタイプではない。
目の前の落としたい相手から繰り出された『不倫』というパワーワードに、モテない自分との恋愛格差を感じたのではないでしょうか。
(不倫が上級な訳じゃないけどね!)
そこでつい、自身の不倫経験を捏造してしまったのだ(きっとね)
マウンティングに対して偽のマウンティングで返す。
こんな二人が上手くやっていけるなんて思いますか?


婚活って二人でひとつの山の頂上を目指すようなものだと思うのです。
それなのにどちらが高く登ったかを競うのは既に競技が間違っていますよね。
このお二人の相性がたまたまそんな風だというだけなら良いのですが、出会う人すべてに対して同じならちょっと難しいんじゃないの?
老婆心ながら、そんなことを思ったのでした。


続く、かも。


 

靴ずれと絆創膏と熱帯夜

こんばんは、年間300日スーツで過ごす女、バリキャリ乙女のイシイド マキです。


先日、靴ずれができまして思い出した夏の物語でございます。

 


靴ずれ


ワタクシがまだ婚活戦線の最前線でバズーカ担いで迷走していた頃のこと。
とある殿方様とお食事にいくことになりました。
駅で待ち合わせをして、駅から20分ほどのイタリアンレストラン。
歩くことが分かっていたので、ヒールも2~3cm程度の低いもの、履き慣れたサンダルを履いていました。
ところが。
梅雨が明けてもまだじっとりと湿度も高く、たった20分ほど歩いただけで汗をかいて滑りが悪くなったのか。
靴ずれができてしまいました。
しかも両足に。
歩いているときは気にならなかったのですが、席についてから違和感を感じて見てみるとつぶれて皮がめくれていました。
元々、お酒も入るし帰りはタクシーで帰るつもりでしたので気にもとめずに乾杯したワタクシ。
空腹に適度な運動と熱帯夜。
そうして酔いはすぐにまわり、正確な判断を奪っていったのでした。


食事の後半で彼が言いました。


「帰り、歩ける?」


帰りはタクシーで帰ろうね、とあらかじめ伝えていたのだけど、このレストラン、お酒の種類も豊富でボリュームも満天。
どうやら食べ過ぎたらしい。
彼は腹ごなしに歩きたくなったのだ。たぶん。
私も歩きたい気分にはなっていたので靴ずれのことを伝え、途中でコンビニに寄らせてもらうことにした。


お店を出て、200mも行かないところにコンビニはあった。
こんな時間なのにもう夏休みだからか、コンビニの前には5、6人の女子高生がたむろしていた。
制服にショートヘア。
よく陽に焼けて、ひとりだけジャージ姿の子がいて、運動部で試合の帰りか打ち上げか。
キャッキャッとはしゃぐ彼女たちをすり抜けて、LEDの室内灯がまぶしい店内に入った。
アメニティの並ぶコーナーにはなぜだかたくさんの絆創膏が並んでいる。
お茶のペットボトルと一番小さい絆創膏を手に取り、外国人のアルバイトにお金を払う。
店の外に出ると女子高生たちのすぐ脇にパイプでできた柵がありそこに腰を下ろした。
コンビニにはベンチなんて気の利いたものはないのでバックも地面に直置きだ。


絆創膏の小さな箱を開けるとなぜだかチューブが入っていた。


『塗る絆創膏』


よく見るとそう書かれていた。
水仕事をするときに、ささくれやあかぎれに塗ると膜になって水がしみない消毒薬らしい。
箱の小ささを重視したため、詳細を全く見ずにか買ってしまったのだ。
これではサンダルのストラップからの攻撃を防げる気がしない。
だけども万が一に万が一ということもあるかもしれないので、とりあえず塗ってみた。


「………っ」


………………ってぇ!!
セメダインのような臭いの薬剤はめちゃくちゃしみた。
堪えず吠えると隣の女子高生たちにこっちを見られた。


「どうする?やっぱりタクシー拾う?」


そして始終を見ていた彼の、この言葉が火をつけた。


「ううん、ちゃんとした絆創膏買ってくるね」


そう言って改めて絆創膏を買いに店に戻った。

 


絆創膏はいい仕事をした。
私に全く痛みを感じさせなかった。
途中で彼は「酔っ払った」とかなんとかアピールしていたが、知ったこっちゃねえ。
そのまま駅まで軽快に歩き続けた。

 


バリキャリを掻き立てたもの


さて。
彼の言葉のナニが私をイキリ立たせのでしょうか。
優しい彼は私の靴ずれを心配し、タクシーを拾うか?とちゃんと尋ねてくれています。


だけども。
私どもバリキャリは日々『やれるか、やれないか』の選択を迫られております。
そして困難であれどベストな選択が評価されるということを知っています。
時に『NO』と言うことも必要ですが、自分の楽のための『NO』は命取りになることがある、ということも知っています。
ですから基本的に困難な蕀の道チョイスがマストと骨の髄まで染み込んでいるバリキャリにとって、『タクシーを拾う?』という問いは『タクシーを拾うか拾わないか』の二択ではなく『靴ずれをおして駅まで歩く』の一択にしかなり得ないのです。


昨今、選択できることが良しとされる風潮があります。
選択権を渡すことで相手を尊重しているようにも見えますが、選択権を与えないという優しさもあるのです。
例えば、優柔不断な人に100の選択肢を与えたら決められません。
選びやすいと思えるところまで選択肢を減らしたらどうでしょう?
親が子供の進路を決めてしまうとか、人生をかけるような大選択でなければ、それは優しさなんじゃないでしょうか。


そして、よく女性に好みの男性のタイプをお聞きすると


『頼りになる人(はあと)』


とかなんとか言っちゃったりするじゃないですか。
あれって、力持ちの人でも頭のいい人でもなく、壁ドン顎クイの上ッ


「オマエは俺のことだけ見てればいいんだよッ!オマエを愛してる…ッ!」


みたいなのを求めてる訳でもないんですよね、きっと。
そういう俺様っぽく引っ張ってほしいんじゃなくて、さりげなく『私ファースト』をしてほしいってことなんだと思うんです。
ですから、この場合。


「タクシーを拾おうよ」


選択肢ではなく、Let'sで提案するのがベターだったんではないでしょうか。


わがままかな?
いや、女子ってそんなもん。


そんなことがあったなーなんて思いながら、靴ずれに絆創膏を貼る夜なのでした。
 

恋愛中毒

こんばんは、年間300日スーツで過ごす女、バリキャリ乙女のイシイド マキです。


先日ちょっと風邪を引きまして。
久しぶりに丸々1日外出せずに眠って過ごした時に考えたこと。

 


頭痛薬


頭が痛い。
昨夜から風邪っぽかったので葛根湯を飲んだ。
葛根湯を同量のお湯で割るとよく効くらしい。
でも、お湯で割ってしまうと恐ろしくマズいものができあがることは目に見えている。
だから葛根湯を一口飲んだら白湯を一口飲む。
そうやって交互に飲むといいのよ、と母が嬉しそうに言った。
なんてナイスアイデア
そう思ったけど結局めんどくさくて、飲み会前のウコンよろしく一気飲み。
まぁ、効かない訳じゃないからいいじゃない。


風邪薬を飲んだおかげで、咳と鼻水は収まっているけれど頭痛だけは収まらない。
横を向くとズキズキと痛み、仰向けになれば痛みは和らぐけれど胃がグルグルと音を立てる。
等間隔でもんどり打つしかないのであった。


元々頭痛持ちで月に一度か二度、偏頭痛に襲われる。
そして数ヵ月に一度は吐くほどひどい。
もしかしたら風邪じゃなくていつもの偏頭痛なのかもしれない。


「薬を飲めばいいじゃない」


おっしゃる通り、その通りなのだけど。
休日はできるだけ薬を飲みたくないのだ。
頭痛薬を飲んでしばらくすると独特の臭いが胃の奥からせり上がってくる。
実は結構あの臭いが好きだったりする。
仕事に追われていると気にも止めないけれど、ふと、ひと息つけたときに感じると『あぁ、私頑張ってたな』と思えるのだ。
他人から嗅いだことがないので、自分だけが感じる臭いなのであろうところも好きなポイントだったりもする。
だけどやっぱり休日は極力飲みたくないのだ。
だって『薬は慣れる』というでしょう?
肝心な時に効かなくなってもらっては困るもの。
だからこうして布団を被ってやり過ごす。
明日になればすっかり治っているはずだから。

 


恋愛中毒


『薬が効かなくなる』ということは一種の中毒になっているということなんだろうと思う。


欲しい、けど足りない。
もっと欲しい、もっと足りない。


そういえば『恋愛中毒』という小説だかなんだかがあったようななかったような。
一途にひとりの人を想い続けるのは美しいことだけれど、想いが強すぎて要求に変わると毒になる。


会いたい。
毎日連絡して。
私以外の女の人を見ないで。


学生時代。
普段は三枚目の友人が自らの手首に傷を作った。
もちろん未遂。
誰もが彼女が本気じゃないってわかっていたけど。
イシイドだってその頃、連絡のつかなくなった彼氏に1日20件も電話をかけた黒歴史がある。
誰しも一度や二度、三度くらいはあることでしょう?
毎度という猛者もいるか。


想いと、想いを重ねて重ねることで中毒になっていく。
それは恋人への中毒ではなく『想うこと』の中毒だ。
こうして生まれた毒はこの恋を終わらせる毒にしかならないのに。

 


依存症について思うこと


*依存症と中毒は厳密には別のものなのだけど、ここでは同義のものとして扱います。


法的に禁じられている薬物や過度のお酒など、思考を蝕む依存症は本人の意思の力ではどうにもならないものらしい。
だったらゲームや甘いものならどうなんだろう。


後輩の男の子がタバコをやめた。
結構なヘビースモーカーだったのだけど割りとあっさり。
聞けばタバコの代わりにアメを舐めていたのだそう。
甘いもの好きだもんね。
人は一つのことにとらわれてしまっても、それ以上に(それと同等に)魅力的な代わりがあればあっさり捨て去れてしまうものなんだろう。
甘いものを食べることより運動する楽しさに目覚めてしまったらすんなり痩せられるだろうし、ゲームよりも勉強の方が楽しくなればまた然りだ。
要は代替品があればいいってことか。


だけどもさ。
よく、


「あたしってレンアイ体質でぇ」


なんて言って取っ替え引っ替えしてるお嬢さまもいらっしゃる。
確かにひとりの人に依存してないだけ中毒にはなり難いけれど、依存先が変わってるだけで本質は変わっていないよね。

 


『楽園ネズミ』


では依存から抜け出すにはどうしたらいいか?
ブルース・アレグサンダー博士の「ネズミの楽園」という実験がある。


一匹ずつ金網の檻に入れられたネズミのグループ(植民地ネズミ)と広々として遊び場もあるよい環境に雌雄混合で十数匹を入れたグループ(楽園ネズミ)に分ける。
そしてそれぞれに普通の水とモルヒネ入りの水を与える。
孤独な植民地ネズミは一日中モルヒネ水を飲んでモルヒネに酔いしれるのだけど、楽園ネズミたちは仲間と遊んだりイチャコラしたりしてモルヒネ水には見向きもしない。
もちろんモルヒネ水に興味を持つものもいたけれど、中毒になるネズミはいなかった。


この事から依存症になりやすい条件は『孤独』ということになる。


この実験には続きがあって、植民地ネズミを楽園ネズミのコミュニティに入れてやるのだ。
すると楽園ネズミと交流し始めた植民地ネズミは徐々にモルヒネ離脱の症状を見せる。
そしてついにはモルヒネ水から普通の水を飲むようになるのだという。


依存から抜け出す方法は、自分は孤独でなく社会に受け入れらているという実感なのではないだろうか。


もちろん私たちの社会で薬物依存症患者を社会に解き放つことはできない。
だけど、社会と隔絶する方法もベストではないのかもしれないと思った。

 


『私にはもう必要ない』


薬物依存と恋愛中毒を同格に扱ってはいけないが、恋愛中毒に陥っている人がいれば伝えておきたい。


あなたは恋愛に依存するほど孤独だっただろうか?


今、周りはイケ好かない奴らばかりかもしれない。
だけど、その恋をする前のあなたには楽園ネズミのように家族や友達がいたのではないだろうか。


神様は、我々人間に楽園を与えてはくれない。
だから私たちは楽園をこの手で作らなければならない。
人類最初の女であるイヴは甘い言葉にそそのかされて禁断の実を頬張った。
もしも『唯一の女』でなければ、孤独でなければその誘惑に負けなかったかもしれない。
楽園は二人だけで完結するものではなく、みんなで創るからこそ楽園になるのだ。

 


欲しい。
もっと欲しい。


そう思うなら、いくら与えられても満足しないということ。
つまり、その人は私にとって物足りないということだ。
そんな人のために楽園を出ていく必要なんてない。
あなたはあなたの楽園を作るべきなのだ。
いや、楽園はいつもそこにあったのだよ。

 


なんてことを、天井の火災報知器の緑のランプを見つめながら考えていた。
体調がすぐれなくて眠れないとロクなことを考えない。

文章を書くようになってから、何事も恋愛に結びつけて物事を考える癖がついた。

これこそ本当の『恋愛中毒』か。


時刻は16:30。
ググってみたら『恋愛中毒』は小説だった。
ドラマにもなったらしい。
読みかけの小説を読み終えたら『恋愛中毒』を買ってみようかなと思いながら眠りに落ちた。

 

恋愛中毒 (角川文庫)

恋愛中毒 (角川文庫)

 

 

ラブについて考えてみた

こんばんは、年間300日スーツで過ごす女、バリキャリ乙女のイシイド マキです。


全豪オープン、観てますか?
スポーツニガテなイシイドですが、ポイントを取った時の「ヨッシャ!」は何度繰り返しても心地よいですね。

 


国の宝だぞ


先週1/17、スポーツ雑誌『Number』970号が発売されました。
復活の錦織圭選手と大躍進の大阪なおみ選手を全面に全豪オープンを盛り上げようと特集を組まれています。
それがこちら。



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肖像権とか著作権とかあるといけないのでキリトリ。


……………


えーと。
イシイドのトシのせいですかね。
『男と女のラブゲーム』が脳内再生されるんですけど。
『Number』の表紙といえば試合中の躍動感あるワンシーンだったり、アスーリートのプライベート風のスナップだったりなんですが。
なんかムード歌謡のLP版ジャケ写みたいじゃありません?
右下に『ドーコレアビムロコ本日』』とか書いてあったりしたらしっくりくる。
いいのか?この扱い。


若いお二人が、自分がパロディっぽくなってるってことわかってるのかなぁ。
わかってて面白がってくれてるならいいけど。
わかってなさそうだ。


国の宝だぞ!

 


ラブってなんなの?


さて。
記事の内容を読んでみるといたって真面目にこれまでの苦労やこれからの自信、支えてきたスタッフたちの想いなどを取材した正統派。
男と女のラブゲーム感は全くありません。


イシイド、テニスのルール自体があまり分かってなかったりするので初歩的なことを言いますが。

ラブゲームってなんなの?

 


ラブゲームとは?


相手に1ポイントも与えず勝利したゲームのこと。


テニスでは『0』を『ラブ』と表現するのでラブゲーム…


うん、流れは分かった。


ではなぜ『ゼロ』=『ラブ』なのか。


ネットで検索してみると、


フランス語の卵が語源


あぁ、タマゴ丸いよね。
似てるよね。


『卵  フランス語』で検索すると


Un oeuf


ウフ、と読むらしい。


うふ。


ラブ…どこいった!?

 


では、「l'oeuf」がどうして「love」になったのでしょうか。
フランスの修道院で生まれ、貴族の間に広まったテニスの前身ジュドポーム。これがイギリスに伝わったとき、イギリス人が「l'oeuf」をうまく発音できなかったのか、それとも聞き間違えたのか…。とにかく「l'oeuf」を「love」と言ってしまい、それがそのまま定着したという説が有力です。


株式会社エムズテニススクールさんのサイトより引用させていただきました。


むむ。
『ゼロ』と『ラブ』には直接的な関係はないのかと思いきや。


そのほかに、英語の「love」にはかつて「nothing」という意味があり、「何もない状態(nothing)から始める」という意味で「love」が使われたのではないかという説もあります。


というオチまできっちりつけていただいてました。
いやぁ、このままではコピペしただけになってしまう。
それではいかん、考えろ、考えるんだイシイド!!

 


ラリーがなければゲームにもならない


何もないところから始まるのが愛というけれど、憎しみだって何もないところから始まるものじゃないだろうか?
何もないところから様々な言葉のやり取り、気持ちのやり取り、態度のやり取り…
そういうものがあるから良くも悪くも人間関係は進むのだ。


ラブゲームとは相手に1ポイントも与えない、一方的な試合のことだ。


見ているだけの一方的な片想いではポイントなんて入るわけがない。
どんなに声を枯らしても、観客席にいてはその声は届くことはないだろう。
せめてコートの側まで降りてこなければ、あなたはいつまでたってもモブのままだ。


そして日々惜しみなく愛を注ぎ続けているあなたはどうだろう?
その愛に返球はありますか?
ラリーがなければ愛は生まれないのですよ。
このまま、一方的に投げ続ける愛のピッチングマシーンでいいのでしょうか。
どうせなら、生身の選手としてコートに立ちたいと思いませんか?


あなたの渾身のサーブを見ないフリをする相手は、違う種目のスポーツ選手なんですよ。
戦う相手が間違ってる。
どうか冷静に、あなたはあなたの競技でラブゲームから抜け出してほしいと思うのです。

 


そんなわけでございまして、『Number』の特集からこんなことをぐるぐる考えてしまった次第。


がんばれ錦織!かんばれ大阪!


心の底から応援してます。

『スッピンが好き』撲滅委員会

こんばんは、年間300日スーツで過ごす女、バリキャリ乙女のイシイド マキです。


さて、前回アラサー・アラフォーのベースメイクについてお話いたしました。
まぁ、殿方さまにとっちゃどーでもいいことかもしれませんがこの話がしたかったからこその前回です。
男の人ってなんでスッピンが好きなの?
『スッピンが好き』と、言ってもいいことなんてなんにもないのにね。
そんなお話です。

 


『スッピン好き』男子の生態


殿方さまはスッピンが好きというのはよく聞く話。
ただしこの『スッピン好き』には二種類あると思うのです。

 


濃い化粧がニガテな『スッピン好き』


つけまつげやエクステ、太いアイラインのように目元を強調したり、赤リップやグロスでテッカテカに口許を際立たせる流行のメイク。
女子たちにしてみればインスタ映えで超カワイイかもしれませんが、殿方さまによってはケバい、コワイものなのかもしれません。
そこは好みの問題ですからそれに対して批判をするつもりはありません。
ただね。
イシイドは、殿方さまがナチュラルメイクと本当のスッピンを識別しているのか、という点については疑問を感じるんです。


メイクというものは様々な種類があるわけです。
ゴリゴリに気合いの入った流行(ケバい)メイク。
しっかりメイク感はあるものの正統派、コンサバティブなメイク。
メイクの気配が感じられなくても、顔立ちを格上げするナチュラルメイク。
そして、効果ゼロどころかマイナスに堂々落ち込ませる手抜きメイク。


あからさまな『メイク顔』はさすがに判別できるけど、ナュラルメイク以下、下手するとコンサバメイク以下はすべてスッピンだと思ってるんじゃないですか?


そんな本物のスッピンとナチュラルメイクの区別がつかないあなた様に、ひとつ、残念なお知らせがあります。


スッピンってめっちゃ不細工やで。


ホンモノの本当のスッピンの彼女をみて幻滅しない自信、ありますか?

 


商業スッピン


タレントさんがSNSでスッピンを披露したりすると


「加工してる」


「化粧してるじゃん」


などと物議をかもして炎上的なことになったりします。
イシイドは加工もスッピン風メイクもいいと思うんです。
足を長くしたり小顔にしたりはやり過ぎたけど、写真の明度をあげるくらい家族写真でだってやりますでしょ?
よい思い出を残すための演出って少しは必要だと思います。


だけど悲しいかな、そういう演出を許さない人たちもいるんです。
そもそも、あの方たちはご自身が商品なわけです。
無料で発信されるSNSなんてチラシやフリーペーパーとおんなじです。
おいしいとこだけ凝縮して、次の購買(映画・書籍・CD・DVD)につなげなければなりません。
だから不完全な状態を出すわけがない。
商業スッピンは確かに作られたものではあるけれど、それは彼女のプロ魂のなせる技だと思うんですよね。


あなたが万が一、億が一にも、あの女優さんと出会い恋に落ち、一緒に暮らす日が来たとする。
毎日、天使のような彼女。
ドラマのようなオシャレな会話。


でも寝起きのスッピンはやっぱりブッサイクなんですよ。


顔の造りは関係なく、ボッサボサの髪。
テッカテカの顔。
シーツのシワの跡。


そう、つまり。
キミらが普段目にしている商業スッピンと現実のスッピンとは天と地ほどの差があるということを胆に命じてほしい。


者ども目を覚ませ!
幻想を捨てるのだ!!
スッピンは醜い。
現実を直視できない者に『リアルな充実』を手にする資格はない。


そして、彼女のスッピンに度肝をぬかれたとしても、がっかりしてはいけない。
だってそれはあなたが見たいとねだったスッピンなのだから。


それこそが『リア』で『充』の証なのだ。

 


スッピンに理解がある風な『スッピン好き』


そしてもうひとつはスッピンが不細工であることを理解した上で『スッピン好き』を公言するタイプ。


なんですかね?その心理。


ああ、あれか。
それともスッピンが不細工なのは知ってるけど、俺の彼女に限っては実はスッピンもかわいいというラッキー☆カモン!な展開を妄想しちゃってる?


いや、ないから。


それとも、こんな不細工な顔をする彼女のことも愛している俺ってフトコロ広くてカッコよくね?ヒュー!な感じですか。


いや、待て。


確かに我々のスッピンは不細工だ。
それは否定しない。


だけどもおまいさんはどうなんだい?


少なくともおヒゲがチョロ伸びしてる点だけでも我々よりも残念であると思わんのかな。
女子のスッピンを見るということは己のスッピンを晒すことでもある。
お互い様なんですよ。
『幻滅しないでいてやるよ』という上から目線で見ているつもりで、ご自分が逆に幻滅される可能性をつゆほども感じていないところに、端で見ていて不安に思います。


いや大きなお世話だと思うけど。

 


別に心を開いているわけではない


えー、スッピンを見せるってことは心を開いてくれてるってことでしょ?
君の全てを見たいんだよ!
というアナタ。


残念ながら、スッピンは心を許しているのではない。
ただ、心が緩んでいるだけなのだよ。


あ、この人私がスッピンでも私のことを嫌わないな。


そう思わせたらとめどなくトド嫁街道まっしぐらっすよ。
だって、私たちがスッピンを見せられないのはあなたに嫌われたくないから。
嫌われたくない緊張感が、乙女心が、美しさを維持するのです。
『嫌われない』と確信した途端にダム決壊。
楽な方へ楽な方へと流れていくでしょう。


彼女にいつまでも美しくいてほしいなら『スッピンのほうがいい』なんて言わない方が身のためだと思いますよ。


『スッピン好き』は職場ではNG


そして、上司・部下・同僚の揃った職場の飲み会で『スッピン好き』はセクハラ以外の何者でもないので注意が必要だ。


『スッピンを見る』ということは少なからずセクシャルな意味をはらむ。
平安時代の貴族たちは『顔を見る』ことは結婚を意味するし、夜を越えスッピンになることは事後を想像させる。


そんな意図はありません。


そう言い逃れできるような婉曲で遠回しな表現だからこそ、より卑怯な空気がまとわりついて気持ちが悪い。


自意識過剰と言われるかもしれないが、殿方さまは、『スッピン』にはそういう側面があるということを頭の片隅に置いておいた方が身のためだ。
仮に『私』に向けられたものでなくても不愉快に感じることは多い。


少なくとも


◯◯さん、スッピンが好きなんだって、素敵!


とは絶対ならない。


これから恋に向かって進んでゆく男女ならエッセンスになるかもしれないが、色恋やエロは抜きにしたい職場においては自らの評価を下げるだけ。


もしもそんな話題に出くわしたら、自分はナチュラルメイクが好きだとさらりとかわすのが一番スマートでかっこいい。

『スッピンが好き』は今日から封印しましょう。

『スッピンが好き』撲滅委員会からのお知らせでした。


 

バスタオルに想いを馳せて…カップルが合わせるべきはだらしなさのレベル

こんばんは、年間300日スーツで過ごす女、バリキャリ乙女のイシイド マキです。


10月に入り今年も残すところ3ヶ月となりました。


『年内に◯◯するぞ!』


なんて誓いも新たにするには程よい頃合い。
言いますか?
やっぱり言っちゃうんですね?


「クリスマスまでに恋人を作るぞーっ!」


はい、ではそんなあなた様が焦ってあわてて失敗しないように似ていた方がいい価値観をお話しましょう。

 


カップルが似ていた方がいいところ


人は、共通点を持つ人に好意を抱くものです。
『恋人に求めるものは何ですか?』という問いに


食の趣味が合う人
笑いのツボが同じ人


と答える人も多いでしょう。
確かに自分の好きなもの、楽しいと感じること、自分にとっての『fun』『pleasure』『happiness』がお相手とも共通であれば幸せだよね。
だからそれを条件にお相手探しをするのは間違ってない。
そして恋のはじまりは実に楽しい。
何もかもが新鮮でキラキラと輝いて見える。


だけど毎週箱根で温泉とか、異人館で神戸牛とか、ティファニーで朝食をとか、そんなの続くわけがないんです。
恋はやがて日常に。


だから本当に合わせるべきは他にあるのよ。


何かって?


それは不潔のレベルだわよ!

 


バスタオルは何回使ってから洗濯しますか?


お尋ねします。


あなたはバスタオルを何回使ってから洗濯しますか?


今回はバスタオルの洗濯頻度をモンダイにしているわけではないので、数字的なデータや出典は割愛させていただきますね。


だいたい6割の人が毎回洗濯しているのだそうです。


毎回洗わない人の主張は『洗って清潔になった体を拭いているので汚くない』
確かに泥やら汗やらは残ってないでしょう。


でも雑菌はいるわけよ。


雑菌の繁殖条件は『温度』『湿度』『栄養』
暖かく湿ったお風呂場に、目には見えないけれどあなたの皮膚片など美味しい『おやつ』が付着したバスタオル。
雑菌のパラダイスじゃあーりませんか!


バスタオル1回使用後、細菌は数万~数億に繁殖しているのだそうです。


ぅへげっ!!


とはいえ。
この細菌、元々自分の肌にくっついていた常駐菌というものでこれが大繁殖したところで食中毒とかビョーキにつながるようなものではございません。
(水虫をはじめ、感染性の疾患をお持ちでないことを前提にしています、ご了承くださいませね)


じゃ、何が問題かっていうと臭いなんですね。
雑菌が『おやつ』を分解するときに発生する雑菌臭。
これは害がないと分かっていてもちょっと受け入れがたい。


やっぱりバスタオルは毎日洗うべきなのねっ


いえいえ、ここは抗菌大国ニッポンですよ、奥さん
洗濯洗剤界で抗菌防臭なんて当たり前。
むしろ部屋干しで臭う洗剤を探す方が難しいくらいでしょう。たぶん、きっと。
だから安心してください。
バスタオルは臭わない。


つまりバスタオルとは。


多くの人が毎日洗いたいと思っているが毎日洗う必要もない。


そういうものなのです。


仮に異論があったとしても、以上を踏まえた上でこのままおつきあいくださいね。

 


だらしなさのレベル


さて、そんなこんなで出会ったお二人。
食の趣味が合って笑いのツボもピッタリ。
ついでに金銭感覚までジャストフィットでめでたくカップル誕生と相成りました。


ところが、一緒に暮らしはじめて些細なほころびが生まれます。


彼はバスタオルを毎回洗いたい。
彼女はバスタオルなんて三日に一度洗えばいいんじゃない?


彼は彼女にバスタオルは毎回洗ってほしいと懇願します。


うん、わかった (^ー^)


快く返事をした彼女。
でもこれまでの習慣のためか、ついうっかり忘れてしまうこともしばしば。
仕事で嫌なことがあった日に限ってバスタオルが洗われていない。


これは嫌がらせか?


彼のなかにモヤモヤと黒いものが広がります。
二人を別れに誘うほどのことではない。
だけど無数に横たわる導火線に、いつか着火するかもしれない火種のひとつとして、いつまでもいつまでもくすぶり続けるのであった…

 


というわけで、好きなものが似ていればカップルになることは容易い。
だけどカップルとして継続していくためにはダメなところを許容できるかどうかが重要になる。
つまりは不潔のレベル、だらしなさのレベルが合うかどうかだ。

 


もしもだらしなさのレベルが合わなかったら


さて。
不幸にもだらしなさのレベルは合わなかった場合。
もしもあなたが毎日洗いたい派でも、爆発するのはちょっと待ってほしい。


これは、不衛生とか潔癖とか、そういった話ではない。
各々の生育環境の違いによるものだ。


バスタオルって大きくてかさばる。
大家族だったらどうでしょう?
例えば6人家族だったら全員のバスタオルだけでも1回余分に洗濯機を回さなければいけない。
手間も時間も、ケチくさいことを言えば水も洗剤も余分にかかるのだ。
スペースだってそう。
誰もが庭付き一戸建てでボー◯ドのCMみたいに庭に洗濯物をはためかせられる訳じゃない。
たとえ3人家族だってなけなしのベランダにバスタオルを広げたらあなたのパンツは日陰にひっそり干されることになる。
さらに家事担当者が仕事を持っていれば洗濯は夜にしかできないという家庭だってあるだろう。

パンツとTシャツしか洗うものがなくて洗濯槽を埋めるために無理やりバスタオルを放り込む男の一人暮らしとはワケが違うんですよ。
家族の人数、居住スペース、家事のタイミング。
そういうものが絡み合って毎日はムリ!となってたりするんじゃないかい?


ゆえに。
単にだらしがないのか、家庭環境からの習慣なのかちゃんと見極めなければならない。
だらしなさのレベルが合わないからといって、そこを批判することはお相手の生まれ育った背景を否定することにもなり得るのだ。


そして、抗菌大国ニッポンにおいては衛生・清潔を掲げれば正義のように見えるが、それだって価値観の押し付けなのだ。
今までの生活習慣を捨てて自分の生活習慣で生きろと迫っているのだから。
誰だって自分のルーツを否定されたら戻れるものも戻れなくなる。


もっと言っちゃえば家事なんざ、多くを望む方が満足するようにやればいい。
相手にやらせておいて文句を言うとは不届きセンバン。


もちろん、明らかに異常レベルのだらしなさであれば早急に軌道修正するべきだし、だらしな組もできる限り潔癖組に歩み寄る姿勢が大切だ。
逆にお互いに歩み寄る意欲がないならば、最初からだらしなさのレベルが合った相手を条件に探した方が10倍楽に過ごしていける。


合わせるべきはだらしなさのレベル。


そこに着目したら、あなたの伴侶はすぐそこにいるのかもしれない。